芥川の『歯車』という小説は、正直ぜんぜん面白くないし、構成もなっちゃいないし、インテリを気取ってるし、そのうえ読めば決まって暗い気持ちになるというオプションつきの、あんまり人にオススメできない作品である。にもかかわらず、私はなぜか何度も読んでいる。
たぶん、半ば狂気の世界に足をつっこんでいた芥川の混乱しきった頭の中を旅するような、不思議な感興を抱かせるからだろう。
その芥川の直筆遺書が発見されたそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080718/acd0807181054005-n1.htm
比較的有名な次の文句、
一、人生は死に至る戦ひなることを忘るべからず
の「死に至る」は後から追加されたものだそうだ。
芥川だなあ、と思った。死ぬ間際まで神経過敏、そして死ぬ間際まで気取ってやがる。
直筆遺書、見てみたい。写真ぐらい公開しないもんだろうか。
2 件のコメント:
子どもたちに向けて書いた遺書だそうですね。朝日で写真が載ってました。ここ↓です。
http://www.asahi.com/national/update/0718/TKY200807180114.html
これを読んで、長男の比呂志氏は役者に、三男の也寸志氏は作曲家になったのでしょうか?
takebow師匠、いつもコメントありがとうございます。お返事遅れてすいません。
也寸志さんの音楽エッセイはけっこう楽しく読めましたが、比呂志さんに感心したことはまだないなあ。
しかしこう熱いと芥川じゃなくても空中に歯車が回ってるのが見えそうな気がしてきますね。
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