2009年9月8日

総選挙、そして罪と罰

 選挙が終わった。民主党が勝った。

 まちがいなく歴史に残るだろう鳩山・次期総理大臣は、ワイドショーでもニュースでも、行動を逐一報道されている。大したフィーバーぶりだ。
 まあ、夏の間、毎日流されたノリP報道にはケッタクソ悪い思いを抱いていたので、選挙で流れが変わってよかったと思う。

 ノリP、いじめすぎだよ。人を殺したわけでも、人のモノを盗ったわけでもない。誰にも迷惑をかけていない彼女をどうしてあそこまでいじめなきゃならんのか。いずれ罪はつぐなうことになるんだから、ほっといてあげればいいじゃないか。

 子どもに、「覚醒剤をやるとどうしていけないの?」と問われ、「ダメな人になってしまうからだよ。体もボロボロになってしまうんだ」としか答えられなかった。それがどうして「悪いこと」なのか、説明できなかった。他人に売ったら「悪いこと」だし、「悪いやつ」だけどさ、やるだけで「悪いやつ」といえるのか?
 誰かマトモな答えをもっているか? 「ダメな人」になるのは事実だけど、それをやって「ダメな人」になるのは本人なのだから、それこそ自己責任の範疇じゃないのか?

 話がそれた。選挙の話をしたいと思っていたんだ。
 個人的には、中川昭一元財務相がきっちり落選したのがいちばん印象的だった。
 あのとおり苦み走ったイイ男、大臣経験者で親父の地盤を継いでいる。本来なら絶対に負けない人なんだが、ちゃんと負けた。北海道民、わかってるじゃないかと思った。
 例の経済サミットでの失態はさすがにひどい。
 本人は断酒をして選挙に臨むといっていたけど、断酒したぐらいで禊ぎが済んで、また議員でございますとデカイ顔できるなんて、あまりに「罰」が軽すぎないか? ノリPは毎日いじめられてるのに!
 きちんと機能してるじゃないか民主主義、と思った次第である。たぶん、毎晩ヤケ酒かっくらってるだろうね中川さんは。

 今回の選挙に関して、当然のこといろんな批評が出てるけど、いちばん腹が立ったのは田原総一郎のコメントだった。
 選挙結果を見て、「日本人はバカなんじゃないか」とかいいやがった。要は、郵政選挙における自民党の勝ちすぎでも学習せず、今回も民主党がバカ勝ちした。一辺倒になりすぎる日本人の性癖が出てる、っていうんだ。
 同様のことは、言葉こそやわらかくなっているけど、このコラムでもいっている。

 バカはおまえだ、といいたいね。
 選挙は秘密投票、誰がどこに投票したかわからないのが原則だ。今回だって、みんなが示し合わせて民主党を選んだわけじゃないんだよ。個人の票を総合したら、結果としてそうなっちゃたんだ。
 たしかに「勝ちすぎ」とはみんな思ってるだろうけど、それは小選挙区比例代表制という選挙システムのせいであって、日本人の性質のせいじゃない。選挙でちょうどよく、いい案配に票を分配するなんてことは、誰もできないんだよ。示し合わせて投票なんか、できないんだから!

 田原総一郎さんは立派なジャーナリストだと思っているし、尊敬もしているけれど、ときどきこういう「誰にも、どうしようもできないこと」を「日本人」という一人格でまとめて、責任をおっかぶせようとする。
 よくないところだと思うんだけど、治らないんだろうな、たぶん死ぬまで。