2006年12月7日

漫才にハマる(喜劇と悲劇)


 YouTubeのおかげで、すっかり漫才好きになってしまった。
 いや、以前から好きだったのだけど、都合のいい時間に気に入った芸人の気に入ったネタを見られるということが、よりこの世界にのめり込ませたね。

 大瀧詠一先生が圧倒的影響を受けたという小林信彦の『日本の喜劇人』とかも読んじゃったもの。これも、すごく面白かった。

 そういう形で過去の漫才師の伝説とかに詳しくなってくると、当然、その「伝説の芸人」たちの芸も見たくなってくるわけです。たとえば、クレイジーキャッツの映画見たりとか。エノケンやエンタツ・アチャコを見てみたいんだけど、ソースがないんだよねえ。

 そういう流れの中で、「やすし・きよしの漫才独演会」というCDを聞いた。
 やすし・きよしはたけしや島田紳助を輩出した80年代初頭の漫才ブームの最大の牽引車だったわけで。

 で、面白かったか、と問われると、「うーん」と唸らざるを得ない。ひょっとしたら「笑い」って、音楽や映画より、品質保持期限が短いのかもしれない。もっとも、チャップリンは今見てもちゃんと面白いから、一概には言えないのだろうな。この説はもうすこし研究が必要だろう。

 このCDで悲しいのは、やすしが息子の木村一八をネタにしていること(当時、一八は少年だった)。
 たぶん、可愛くてしかたなかったんだろう。親バカが透けて見える。同じ人の親としては、この親バカっぷりが身につまされるわけですよ。しかも、当の息子が目下のところ転落人生まっしぐらであることを思うと、泣けてくる。
 笑いには涙が含まれていてもいいと思うし、むしろ積極的に含むべきじゃないかとも思うけれど、この記録は残酷だねえ。


6 件のコメント:

takebow さんのコメント...

mixiにも書いたのですが、小林信彦は『世界の喜劇人』が一番です。彼の原点がそこにあります。小生も一時期はまって中原弓彦名義の本まで探したもんです。
私がマルクスb主義者なのは彼の影響です。彼の『オヨヨ』シリーズはまさにマルクスブラザーズをベースにしたオリジナル小説です。

1TRA さんのコメント...

mixiと同じ記事なのに、こちらにも書き込みありがとうございます。

中原弓彦名義の本まで探されるとは!
たしか大瀧詠一もそんな感じだったと思いますよ。
師匠がそんなに小林信彦がお好きだとは知りませんでした。
私は『日本の喜劇人』と『やすし』と、ずいぶん前に『唐獅子株式会社』を読んだきりです。お勧めの『世界の喜劇人』、読んでみます。

takebow さんのコメント...

確かブルースブラザース好きになったのも小林氏の影響だったと思います。大瀧詠一といえば、クレージーキャッツの「CRAZY#CATS#DELUXE」(ビデオ)も買いました。もちろん小林氏・大瀧氏の影響であるのは言うまでもありません。今はDVD「クレージーキャッツ・スーパーデラックス」となって販売されているようです。超お奨めです。

1TRA さんのコメント...

クレイジーキャッツの「無責任男」はこないだツタヤで借りて見たんですよ。
世代的にクレイジーキャッツ全盛時を知らないので、興味深く見ました。おもしろかったです。オススメ盤も見てみたいと思います。レンタルにあるかしらん。

takebow さんのコメント...

1TRA さんへ
小生でもクレイジーキャッツの全盛期は知りません。儂も「無責任男」をビデオで借りて見たクチです。くそ真面目な植木等が主人公「平均」をやっている処が良いんだと思います。全くキャラが逆なんですよね。

1TRA さんのコメント...

『日本の喜劇人』を読むと、いろいろ見てみたくなりますよね。
こないだレンタルに行ったら、渥美清の『拝啓天皇陛下様』があったんで、見てみようと思っています。