2007年1月14日

コナン・ドイルの妖精写真

 調べ物をしていたら、こんな写真を見つけた。わりと有名な写真だから、知ってる人も多いかもしれない。



「コティングリーの妖精写真」と呼ばれる写真で、1916年、イギリスはブラッドフォード近くのコティングリー村に住む幼い女の子が撮影したものである。

 こうしたものに目の肥えた我々は、この写真がチャチな捏造だとすぐさま見抜くことができる。じっくり調査するまでもなく、見るからにニセモノではないか。

 ところが、かのシャーロック・ホームズの生みの親、サー・アーサー・コナン・ドイルがこれを妖精実在の根拠として大きく取り上げたことから、この写真はかなり長期にわたってイギリスのモノ好きたちの間で論議の的になったという。

 詳細はここに譲るが、面白い話だと思う。

 20世紀初頭の人々にとっていかに写真が新しいメディアであったかとか、コナン・ドイルのような一流の文化人の発言がいかに影響力を持っていたかとか、いろいろ興味深いことも多いけれど、もっとも興味を惹くのは、コナン・ドイルという人の妄想力のたくましさである。
 晩年のドイルは心霊研究に没頭していたというが、これをホンモノだと信じさせたのは、あのシャーロック・ホームズを生み出したイマジネーションと同じものなのだ。
 

2 件のコメント:

takebow さんのコメント...

これは初めて見ます。面白いですね。コナン・ドイルなりのファンタジー感覚なのでは?と思ってしまいます。

1TRA さんのコメント...

takebow師匠、いつも書き込みありがとうございます。
ご指摘のとおり、ドイルなりのファンタジー感覚の発露なのでしょうが、彼の感覚は現実との境目がきわめてあいまいだった、ということが興味をひきます。本文にも書きましたが、晩年は心霊に凝っていたらしいですし、彼はかなり早い時代にカトリックを捨てているのです。