2007年3月22日

きばれよ、笑い飯

 笑い飯のトランジスタラジオくんが来週で終わるらしい。

 私は深夜ラジオを聞く習慣がないので、ラジオ本編の方は聞いたことがないのだが、それとは別に毎週ポッドキャストで配信される放送はいつも楽しみにしていた。

 たぶん終了は本人たちが望んだことではないだろう。昨年のM1でイマイチふるわなかったことが、影を落としているのだろうな。放送の内容も(あくまでポッドキャストだけで判断するしかないが)、だんだん面白味がなくなっていったように思う。
 以前は「世界の国」という、国名を毎週アイウエオ順にあげていって、その国に関してあることないこと好き勝手しゃべる、というネタをやっていて、これはすごく面白かったのだけど、それが終わったあたりから、次第にトーンダウンしたようなイメージがある。baseよしもとに出演しているマイジャー芸人のゲストを呼んで、楽屋オチみたいなネタを話すのは、本人たちは楽しいかもしれないが、リスナーとしては決して楽しいものではなかった。

 彼らの漫才ネタは時事ネタとか一切なくて、老若男女すべてが笑える一般性を持っているのだけど(そのあたり、『エンタの神様』に出演している芸人未満どもとは雲泥の差がある)、ことラジオに関しては、そういう一般性を意識できていなかったのではないか。吉本の若手芸人がカルトな人気を持っていて、そういう人たちばかり注目するお笑いファンもいるのは知っているけれど、そうしたカルト・ファンにしかアピールしない放送内容は、やはり退屈というほかなかった。

 深夜ラジオこそ聞いていなかったけれど、私はきわめて熱心な彼らのファンである。Youtubeにあがったネタは全部ダウンロードして保存してあるし、テレビ出演はこまめにチェックして欠かさず見ている。だが、ここんとこテレビで見る彼らのネタは、今ひとつ精彩に欠けているような気がしてならない。先週放映された『爆笑レッドカーペット』はなかなかふるっていて、久々に溜飲を下げたけれども、正月以降放映された漫才番組でのネタは、「うーん……」なものが多かった。いや、面白いんだけどね、でも笑い飯ならもっとさあ……と感じてしまうような。ひょっとすると、スランプなのではなかろうか、と心配してしまう。

 ダブルボケ/ダブルツッコミという彼らのスタイルの爆発力は、とんでもないものがある。「奈良県立歴史民族博物館」「ワシントン」などのネタは、何度見ても笑える。もう100回ぐらい見てると思うのだが、飽きるということがないのだ。「くだらないこと」「しょうもないこと」にたいする彼らの観察眼の鋭さと、独特のリズム感に笑わされてしまうのだろう。

 バラエティとかイケるタイプでもないし、ここから一皮むけるのはたぶん、苦労するだろう。それは本人たちがいちばん感じているはずだ。切磋琢磨して新ネタをつくり、なんとか突破口を開いて欲しい。それができるだけの力は間違いなくあるんだから。俺はもっと笑い飯をテレビで見たいんだよ。

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