2007年6月18日

その後のホークス・ファン



 以前ここで「今年はソフトバンクを応援します宣言」をおこないましたが、その後どうなったかというと、にわかホークス・ファンを地味~に続けているのです。

 昨日・一昨日は巨人戦だったため、ホークスの試合が二夜連続地上波テレビ放映されていました。むろん、見ましたとも。結果は惜しくも連敗でしたが、両日ともいいゲームでした。

 私が応援してるせいなのかどうだか、先月には首位を走っていたホークスは現在3位。首位ロッテに6ゲーム差をつけられています。どうやら、投手陣の好調を打線がバックアップできず負けている試合が多いようです。
 一昨日は杉内の好投が光っていましたし、昨晩は4人の投手の継投がうまくいって、9回まで巨人打線を1点に抑えていました。じっさい、投手はみなじつによくふんばっている。
 ところが、打者がふるわない。主砲松中の故障がでかいのでしょうけど。松中は昨日、8回裏一死満塁の好機に代打で起用され、球場はむろん大歓声、テレビの前のよい子も手に汗握って応援しましたが、残念ながら快音は聞けずじまいでした。
 王監督も嘆いていましたが、この満塁、ノーアウト満塁ではじまったにも関わらず、松中をふくめ三人の打者が連続三振に終わっています。いかに巨人の中継ぎ・豊田が見事なピッチングを見せたとはいえ、お粗末な攻撃でした。

 もっとも、私が注視しているのは選手ではなく、ベンチの王です。ガリガリに痩せ、およそ元野球選手とは思えぬ体格になり果てた「世界の王」は、それでもまだ猛禽類みたいな「あの目」を失っていません。
 歯に衣を着せず見たままを言えば、今の王は完全な爺さんです。「ヨボヨボ」とまでは言いませんが、その予備軍であることは間違いない。みごとな体格をもつ選手たちが王のまえで頭を垂れている風景は、病を押して出陣した老大名が血気さかんな荒くれ武者にあれこれ指示を出しているようで、一種のシュールささえ感じさせる風景です。
 あの人の下で働く選手は相当なプレッシャーがあるだろうな、と思います。昨日のゲームを見ていても感じましたが、「あの目」は王にはあって原にはないものです。あんな目で眺められたら、不甲斐ないプレイをした選手は相当こたえるものがあるんじゃないかと思います。

 昨年の闘病で胃を摘出してしまいましたから、今の王には食欲がありません。奥さんを亡くして久しいですが浮いた話もないので、たぶん性欲もないと思われます。そんな人間として当然の、健全な欲望を失ってしまった老人が、勝負師としての「勝ちたい」欲だけはまだ濃厚に持っているというのは、ある種、凄絶なものがあると思います。

 昨晩のゲームが終わっての王の感想。
「今日で69試合か。残り、半分以上ある。どうなっているから勝てないのか、はっきり分かったわけだから、明後日からそれを克服すればいい」

 いいこと言いますよね、王さん。残り69試合、にわかファンとしてしっかりフォローしていきたいと思っています。


 ところで、2005年から実施されはじめたセ・パ交流戦ですが、いいシステムですよね。やる方は大変なのかもしれないけど。巨人戦はたいがい地上波中継されますから、パの球団にも順繰りにスポットが当たります。これは、交流戦実施以前はなかったことです。
 笑い飯の昔のネタで、「日本ハムのキャッチャーはマスクを何枚もつけている」というのがありましたが、そんなギャグが通用しちゃうのも、パリーグのBクラス球団の試合なんか誰も見たことがなかったからです。でも、今はさすがに、ギャグとして通用しないでしょう。むろん、日ハムがすごく強いチームになったというのも大きいですが、交流戦のおかげで、パリーグのチームの活躍を目にする機会も増えましたから。
 

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